本日の雑感1/25

今日は、北原白秋先生と中野重治先生の新暦によるお誕生日でしたね。おめでとうございます。
自分も先ほど文豪とアルケミストで遊びお誕生日の声を聞いて、これは北原白秋先生のお弟子さんが増えてしまうような声音だと思いました。中野先生の声は、とても優しくてほっとしますね。

ところで、ゲームにおける高村光太郎先生の外見に対し鏡写しになった同じ髪型の智恵子さんがいて。それが侵蝕されてしまったから彼は智恵子さんのことを語らないのかな?と思いました。

現在、息抜きで佐藤春夫先生の「新秋の記」を読んでいます。
この本は、昭和21年(1946年)に発行された本なのですが、なんと!図書館で借りて読むことができました。実に今から71年前の古書です。終戦後の翌年に発行された本ですので、この本の歴史がそのまま戦後の日本と同じなんです。
表紙や中の紙もペラペラで、内容も佐藤春夫先生がアメリカに出稼ぎにでた方から、チョコレートが送られて初めて食べるエピソードやトマトの種も送られて、植えて食べたらまずかった…というような内容の「新秋の記」、また戦後すぐに日本列島を襲った台風が過ぎた後の石垣島を舞台にした「旅びと」、十歳頃の記憶にある杏の実をくれた娘のことを思い出すことから始まる「杏の実をくれる娘」、新橋駅から名古屋までの夜汽車での出来事を綴った「車窓残月の記」、少し不思議な化かされ系小話「秋立つ」、隣人達とのこまごま窓を通して書いた「窓展く」、初老の画家が旅先の宿で遭遇したことを書いた「写生旅行」が収録されています。どのお話しも短編なので、さらりと読めて読後感も爽やかです。
それも、この本を出版した養徳社という会社なのですが、ーもうお名前から徳が高い感じがヒシヒシと伝わってきますね。
この会社の理念が小さい字で、本の一番最後に書いてあるのですが、以下『』内は養徳社の養徳叢書の欄からの現代語訳をした上での引用になります。

『終戦後の日本は嵐の真只中に立っている。私達の前には緊急に解決せねばならぬ幾多の深刻なる社会問題が山積みしている。~中略~これが解決には真に民族の要望する正しき政治政策の緊要は減を待たざるところである。しかしそれのみではない、更にこれを裏づけるに健全なる民族の魂の育成が如何に大切であるかを見逃すことは出来ぬ。
 実際今日ほど我々にとって、潤い豊かな心情と、高潔なる教養と、そして深い思念とを必要する秋はない。』

そして、会社の本のラインナップが以下に続きます。(文豪とアルケミストに登場する文豪達の作品のみピックアップしてみました。)

『泉鏡花    照葉狂言
 幸田露伴   土偶木偶
 森鷗外    栗山大膳
 川端康成   愛
 横光利一   雪解
 武者小路実篤 愛と死
 太宰治    晩年
 堀辰雄    曠野抄
 室生犀星   作家の手記
 尾崎紅葉   青葡萄
 森鷗外    智恵袋
 北原白秋   歌集 夕莢雲
 梶井基次郎  愛撫
 幸田露伴   靄護精舎雑筆
 徳田秋声   仮装人物
 堀辰雄    伊勢物語
 泉鏡花    祇園物語
 森鷗外    鶏
 武者小路実篤 或の隠者の運命』

となっており、内容をご存じの方ならその作家における、一流のものばかりを扱っていると思われたのではないでしょうか?
その中の一冊にこの佐藤春夫先生の「新秋の記」があることを、改めて嬉しく感じた冬でした。

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